結局忘れられなかった香りを試してみる?

【勝手に歌詞解釈】あいみょん/マリーゴールドに込められた意味

どーも。

あいみょんが大好きくまたです。

あいみょん好きをこじらせてあいみょんが着てる服や持っているアイテムをブログにまとめちゃう系のあいみょんファンです。

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今回は、そんなあいみょんの代表曲「マリーゴールド」がYouTube再生回数2億回突破を記念して、わたくしくまたが、夏の代表曲とも言える「マリーゴールド」の歌詞の意味、歌詞の解釈をしていきたいと思います。

 

あいみょん、2億回再生ほんまにおめでとう!!!!!

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Contents

マリーゴールドが多くの人に受け入れられた3つの理由

今回この記事で一番伝えたい結論から先に言います。

あいみょんの「マリーゴールド」がなぜここまでヒットしたのか?

ここまで多くの人に親しまれたのか??

 

その秘密についてボクの考える3つの要素をここで説明します。

ヒットの秘密①「余白」

余白とは一体なんのかをまず整理しましょう。

この余白が歌詞の解釈にも大きな影響を与えています。

 

ここで言う余白とは、つまり歌詞に自由な解釈をする余地があるとうことです。

 

少し科学的な話になりますが、人の脳って空白(余白)を嫌い、埋めたくなる性質があるんだそうです。

あ□みょん

瞬間的□ックスセンス

憎まれっ子□に憚る

 

□の中に無意識に言葉を入れて読んでいますよね?

このように、人は空白になっていること・はっきりとわからないこと、を無意識に埋めて頭の中ではっきりしたものとして結論づけたり意味づけたりしようとします。

「きっと、あ□みょんはあ「い」みょんだろう。そうに違いない」

と自分の中で結論づけたはずです。

 

他にも例えば、アニメやドラマの終わりに次回予告って流れるじゃないですか?

あれも物語の続きをあえて断片的に見せることで、物語に空白を生み出し、「あーどうなるの〜?!気になる〜!」という気持ちにさせているんです。

そうやって、まんまと次週もボクたちはアニメやドラマの続きを見せられているわけです。

 

映画とかだと、登場人物の心理描写が言葉ではなく表情や作品内の景色、風景によって多く描かれている場合に、その登場人物の心の内を「あの人はきっとこう思っていたんじゃないか??」と想像すると思います。

これも空白を埋めるために無意識に行なっていることなんです。

 

いくつか出した例のように、人の脳は

  • 分からない状態(空白)が嫌い・気になってしまう
  • 分からない状態(空白)をなくそう・埋めようとする

以上のような性質が備わっています。

 

なぜこの話をしたかというと、何を隠そうあいみょんのマリーゴールドの歌詞がこの「分からない」状態を作り出す、余白を持った歌詞だからです。

 

余白があるから、いろんな世代の人がそれぞれ自分ごとに歌詞を解釈し、共感する。

「懐かしいと笑えたあの日の恋」というフレーズに自分の過去の恋愛を重ねるわけです。

 

具体的に「マリーゴールド」の歌詞のどんな部分に余白が見られるのかについて次から見ていきます。

 

ヒットの秘密②:日本人がお米の次に大好きな「カノン進行」

お米の次に大好きかはさておき、日本の音楽史においてカノン進行は避けては通れないそう。

ボクもこれよくわかっていなかったのですが、その他のカノン進行の曲を聞くと「あー、なるほど」ってなります。

 

次の動画を参考にすると「なるほど」ってなるはず。笑

 

カノンは音楽の授業で誰もが知ってると思います。

結婚式とかでもよく使われるあれですね。

すごく耳触りがいい。

 

今回のことで気づいたのは、日本人はこのカノン進行遺伝子レベルで好きですね。(確信)

ボクもカノン進行の曲好きなものばっかりでした。

 

昔の曲にもカノン進行が多く使われているから、お父さんお母さん世代であっても「マリーゴールド」に懐かしさを感じるのは、このメロディが影響している部分はあるんじゃないだろうか??

 

あいみょん自身歌謡曲をよく聞いていたこともあってか、自分たち日本人の耳に心地いい音楽を作る素養が備わっているんだと思います。

 

その他の有名なコード進行に小室進行というもあって、

これはあいみょんで言う所の「さよならの今日に」がそれに当たるはず。

 

ただ、「さよならの今日に」と「マリーゴールド」とエモさが違う感じがしませんか??

 

個人の感覚にはなってしまいますが、

小室進行(さよならの今日に)は、しっとりとして切なさを噛みしめるような不思議と涙が出てくる感覚

カノン進行(マリーゴールド)は、切なさもありながらどこか晴れやかで前を向いているような胸にジーンときて暖かさが感じられる、そんな感覚。

 

説明が難しいですが、カノン進行の方がなんか受け入れやすい感じがします!

 

ヒットの秘密③:フックのような「エモーショナルな言葉選び」

あいみょんの歌詞には、人を惹きつけるパンチがあるのは有名だ。

「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」はタイトルからしてわかりやすいパンチがある。

「満月の夜なら」の歌詞には『君のアイスクリームが溶けた』という意味深で際どい歌詞が頭に残った人が多い。

 

「マリーゴールド」の歌詞の中にも、パンチが効いていて自分たちの頭の中に強く印象付けられる、フックのようなエモーショナルな言葉選びが見られます。

 

ボクが「マリーゴールド」の中で

「これはすごい!」と思った表現を4つほど紹介します。

 

「でんぐり返しの日々」

歌の初っ端にもうパンチがあります。

でんぐり返しの日々って日本語はおそらくありません。

ないけれども、あまりいい日々じゃないなというニュアンスはしっかり伝わります。

 

ヒットの秘密①の余白でも伝えましたが、

でんぐり返しの日々のような一瞬「どういうことだ?」と思うような言葉選びによって、この歌詞の世界観・物語に、各々が「こういうことじゃないだろうか?」と勝手な補正がされていきます。

 

これによって、その人に都合のいい解釈、共感しやすい物語の風景が広がります。

 

失敗ばかりの日々なのかな?

毎日が変わらない事の繰り返しなのかな?

そんな風に自分が入り込みやすい物語の状況を解釈できる余地があります。

 

「麦わらの帽子の君が揺れたマリーゴールドに似てる」

そして次に来るこのサビのフレーズ。

ここで一気に物語の景色がパッと明るく見えてきます。

 

岡本太郎風に言うなら「芸術が爆発した瞬間」的なインパクトがこのサビのフレーズにはあります。

 

麦わら帽子をかぶった女性が、揺れたマリーゴールドに似ている。

この情景が頭の中に思い浮かんだら最後、この曲はもう忘れることはできません。

 

麦わら帽子の君が揺れたマリーゴールドに似てる

というフレーズは

その光景を思い浮かべやすく

その光景を見ている主人公の純な恋心を端的に表している。

 

これによって、単純な言葉ではなく、視覚的に、そして感情的にこの曲が頭の中に刻み込まれる。

 

人は視覚的な記憶や感情的な記憶が強く記憶に刻まれるのでマリーゴールドの歌詞の風景は記憶に強く残り、強く残るからこそ、「麦わらの帽子の君が揺れたマリーゴールドに似てる」という歌詞はボクたちの頭の中から消えないんです。

 

まさにフックであり、エモーショナルな言葉選びだと思います。

 

雲のような優しさでそっとぎゅっと抱きしめて離さない

わかりやすい比喩表現ですが、この主人公の恋人への暖かい気持ち・想いがシンプルに伝わります。

 

ボクはこの歌詞の部分だけは確信があって、ベイマックスのことを言いたいんだろうなと思っています。

異論反論は受け付けません。

 

離さない ああ いつまでも いつまでも 離さない

曲の終わりのこの部分。

何回言うねん!と思う人もいるかもしれませんが、

この同じ言葉をリピートする事によって、登場人物の強い気持ちを表現するとと、自分たちの記憶に強く刷り込むことに成功しているんです。

 

例えば、記憶に残る童謡は、繰り返し表現をよく使っています。

「まいにち、まいにち、ぼくらは鉄板の〜♪」

「さいた、さいた、チューリップの花が〜♪」

 

現代音楽の中にもリピートによって感情が強く表現されている曲がたくさんあります。

「君の前前前世から僕は〜♪」(RADWIMPS/前前前世)

「超えて〜超えて〜超えて〜」(ゆず/虹)

 

単純に「前世から僕は」、と言うよりも「前前前世から」と繰り返した方がそれくらい前から、それくらいの気持ちで君を探し続けていたんだよ!という感情が伝わります。

 

記憶に刷り込み、感情を強く乗せる言葉選び。

おそらく、あいみょんはこれを無意識にやっているから恐ろしい。

人の心に刺さる音楽を歌詞を紡ぎ続けるあいみょんには尊敬しかありません。

 

ボク自身、このブログを通して文章を書き、人に音楽やアイテムの魅力を伝えることをしていますが、人の脳裏に風景を思い浮かべさせ、感情を揺りうごかす言葉を紡ぐのは非常に難しいです。

 

マリーゴールドの歌詞には、小難しい表現や変に回りくどい表現はありません。

平易な言葉にも関わらず聴く人が自然と自由にその歌詞の物語をイメージでき、適切な部分で適切な比喩表現がなされ、感情をグッと引き込む言葉選びや言葉のつなぎ方があると言えます。

 

マリーゴールドの歌詞から勝手に妄想してみた

「マリーゴールド」に散りばめられたヒットの裏側をお届けしました。

 

次からは、余白があることを前提に、マリーゴールドの歌詞の世界をボクの妄想によって少しずつ具体的な物語にしていきます。

注意

あいみょんはインタビュー等で「最初のサビの歌詞がひらめいた」と言っていますが、それを前提の上でボク個人の過剰な妄想をエッセンスとして加えて色々描いていますので、

 

マリーゴールドという花について

マリーゴールドは、キク科の寒さに弱い1年草です。

花言葉は「悲しみ」「絶望」といったマイナスなものと、「変わらぬ愛」といったプラスのものがある。

 

また、マリーゴールドは色や種類によっても花言葉に違いがあります。

【色】

黄色のマリーゴールド=健康

オレンジのマリーゴールド=「予言・真心」

【種類】

アフリカン・マリーゴールド=「逆境を乗り越えて生きる」

フレンチ・マリーゴールド=「いつも側において」

レモン・マリーゴールド=「愛情」

 

この通り色々な花言葉があるマリーゴールドなので、解釈も広がりそうです。

 

そもそもあいみょんはなぜ夏の曲として、マリーゴールドを選んだのでしょう??

普通夏といえば「ひまわり」を思い浮かべると思いませんか?

あいみょんが様々なインタビューにおいて、

「麦わら帽子の君が揺れたマリーゴールドに似てる」という歌詞がパッとひらめいた

と言っていることは重々承知です。

だとしても夏の曲を作るのにマリーゴールドの花がパッと思い浮かぶのにはやっぱり何か違和感があります。

 

マリーゴールドの花言葉に何か深い意味があるのか?

夏の花といえばひまわりを思い浮かべるけど、対比的な違いがあったりする??

本当に単純に思い浮かんだ時の語呂の良さをそのまま採用したのか?

 

ちなみにネット上では、

「マリーゴールドは麦わら帽子に見えない」とか

「だいぶ強い風じゃないと揺れませんけど随分強風なのね」とか

「マリーゴールドは原色系の色出し匂いきついし、儚い恋の歌にセレクトするか普通?」とか

マリーゴールドに対してなかなか面白い視点の意見もたくさん見かけました。笑

 

色々考慮した上で、ボクは次のような理由でマリーゴールドを選んだのだと考えます。

  • ゴッホのようにはなりたくないからひまわりを選ばなかった
  • より自分たちに身近な題材に焦点を当てたかった
  • 光と影にこそ、人間らしさがある

 

1つずつ詳しく解説していきます。

 

ゴッホのようにはなりたくないからひまわりを選ばなかった

ゴッホは死んでから評価されたけど、私は生きてるうちにちゃんと評価されたい

これはあいみょん初の武道館単独ライブ「AIMYON BUDOKAN-1995-」で曲中に語られた言葉です。

その他のインタビューでも、あいみょんは「ゴッホのように後から評価される人生は嫌だ」と明言しています。

MEMO

こう書くと「ゴッホに失礼だろ!」などと言って来られる人もいるかもしれません。

いつの時代もそういういちゃもんをつける人はいるものですけど。

 

そんな人には、亡きゴッホの生涯に関心を持ち、思いを馳せ、ゴッホの苦い人生を追体験したあいみょんだからこそ、そこから何かを感じ取り、自分に落とし込んだ上での発言をしているということをお忘れなく、と言っておきます( ^ω^ )

 

ゴッホの代表作といえば「ひまわり」

この「ひまわり」という作品はゴッホが亡くなってから評価されました。

 

ゴッホは天才だと今になってこそ周りは言っていますが、あいみょんは、ゴッホ本人の立場に立って考えた時それはただの同情なんじゃないかと言います。

 

自分がゴッホやったらどう思うやろう?と考えた上で、それって嬉しくないよな??とあいみょんは感じたんです。

 

2ndアルバム青春のエキサイトメントに収録されている「いつまでも」の歌詞でも次のように表現されています。

死んだ後に天才だったなんて死んでも言われたくないもんな

引用:いつまでも/あいみょん

あいみょんはきっと、ゴッホの人生の追体験で強く「死んだ後に評価されるなんてごめんだ」と感じたんですよね。

ゆえに、無意識にゴッホが晩年に描いたひまわりではなく、別の花を夏の花として選んだのではないでしょうか??

 

より自分たちに身近な題材に焦点を当てたかった

ゴッホに影響を受けて、ボクの妄想の世界のあいみょんには「ひまわり」という選択肢はなくなりました。

だとして、夏に咲く花でマリーゴールドの理由はなんなのか?

それをボクは「より自分たちの生活に身近に存在する花だからかも」と思いました。

 

マリーゴールドは、サイズが小さく、家庭でも育てやすい花です。

さらに、コンパニオンプランツとしても活躍する花、簡単にいえば野菜と一緒に植えると害虫被害を抑える効果のある花です。

MEMO

「マリーゴールド」のCDジャケットは、鉢の周りにマリーゴールドが植えられ、その中心に男女の手が絡んだ構図になっています。

コレもしかして、、、マリーゴールドの花が男女の関係性を守っているコンパニオンプランツを示唆しているのかも!?!?!?

 

そのため、自分たちの生活の中で意識して探してみると、意外とマリーゴールドがよく咲いているのに気づくはず。

マリーゴールドって実はかなり身近な花なんです。

 

あいみょんって、自分たち同世代の目線をしっかり持っていて、そういう親近感というか親しみやさすさが若者に受けています。

そんなあいみょんなので、日常生活はボクたち一般人に比較的近いと想像できます。

 

少なくとも、高層マンション立ち並ぶ高級住宅街みたいなところではなく、

ある程度普通のマンションに住んで、近くのスーパーで買い物して、ご飯を作ってお酒を飲みながら好きな番組やライブのDVD見る、、、みたいな。

実際、あいみょんのファンクラブ限定のダイアリーではそんなあいみょんの姿が結構見られます。

 

だとして、あいみょんの日常生活の中にも、マリーゴールドがよく目に付いていたことは容易に想像できますよね。

 

つまりあいみょんにとってもマリーゴールドは身近な花なんじゃないでしょうか??という事です。

 

加えてあいみょんは、SNSやダイアリーでたまにフラワーベースに花を飾っている写真を投稿しています。

 

そもそも日頃から花に目を向ける人でもあるわけです。

 

そこから諸々紐解いていくと。。。

マリーゴールドという花の名前が入った歌詞が頭の中に「パっ!」と浮かんだのも、あいみょんの日頃の生活から得られる情報や感じたことが影響していると思いませんか?

 

結論、急にマリーゴールドという花の名の歌詞が天の授けもののように浮かんだのではなく、日々の中にあったものだから出て来た産物だということです。

こう考えると、日常に丁寧に目を向けているあいみょんらしさが「マリーゴールド」なんだとボク的には感じ取れるんです。

ここは、ただのあいみょん信者。

 

さらに深掘りするのであれば、等身大のラブソングである「マリーゴールド」において、身近で年の多くの時期咲いている花を題材としたことは一種のメタファー。

「マリーゴールド」の恋物語は珍しいものではなく、自分たちの生活の中に自然と存在するもので、近しい存在なのだということを意味しているようにボクには思えます。

 

「マリーゴールド」という曲に乗せれば確かにノスタルジックで神秘的に感じるけれど、本当はそうではなくて、「大切なものはすぐそばにあるんだよ」マリーゴールドという自分たちの生活の中に身近な花を題材にすることで気づかせようとしているということです。

 

恋の切なさも、儚さも、寂しさも、幸福感も、気づいていないけど、すごく身近にあるもの。

気づけば色鮮やかで、とても尊く感じるもの。

それはまるでマリーゴールドの花のように。

 

光と影にこそ、人間らしさがある

最後はシンプルにマリーゴールドの花言葉の二面性について。

 

あいみょんは、マリーゴールドの花言葉の意味について知っているということをどこかのインタビューで言っていたので、いい面も悪い面も持った花だということは理解していたはずです。

 

マリーゴールドという花の見た目だけ考えても、ひまわりと比べると小さく、花びらもどこか儚さや繊細さを感じる見た目をしています。

 

人って、やっぱりそういう見た目とか、雰囲気とか、そういうことから意識していなくても様々に情報を感じ取っているんだろうなと思いました。

ゴッホの影響や、日常の中で目にする花ということ、そしてその見た目の雰囲気や花言葉に込められた意味があって、無意識的にマリーゴールドという題材があいみょんの中に湧いてきたのでしょう

 

「マリーゴールド」の楽曲がシンプルに読み解けば単純なラブソングなのに、どこか儚さや切なさ、ほろ苦さを感じるのは、まさにマリーゴールドの花の持つ意味や印象からなんですね。

 

ポジティブとネガティブの両方の意味を持つ花だからこそ、おそらくあいみょんも、無意識に歌詞の物語に単純なラブソングだけでは終わらない深みを加えているのではないでしょうか?

 

人生って絶対にいいことだけではなく、悪いこともたくさん起きます。

様々な出来事が複雑に絡み合ってできるものです。

 

人の恋模様なんてまさにラビリンス、複雑of複雑。

「付き合いました→幸せ」なんてシンプルに片付く恋愛は世界中どこを探しても見当たりません。

 

人の心の機微を繊細に感じ取る力を持ち、それについて日々考え表現している彼女にとって、マリーゴールドという光と影を持った題材によって描かれたラブソングが生まれたのは必然だったのかもしれません。

 

MEMO

「マリーゴールド」のMV(ミュージックビデオ)もおそらくあえてマリーゴールドを出さず、その象徴としての光と影を前面に出した演出をしたのだと思います。

物語の主人公は何歳?

次は歌詞の登場人物についての考察です。

「マリーゴールド」の歌詞をよく読んでみると、この物語に出てくる君や、君を思う自分という登場人物の年齢が全然読めないことに気づきます。

 

ボク自身は勝手に自分と同じ20歳半ばの人を想像していました。

しかし、30代の先輩にどう思うか聞いたら、それこそ先輩と同じ30歳くらいの人をイメージしていたそうで、物語の主人公の年齢は聴き手によって様々なんだということに驚きました。

 

これって当たり前ではないんです。

 

例えば、瑛人さんの「香水」という曲が2020年流行りました。

 

この曲は圧倒的に素晴らしいと思っているので、引き合いにだすのは申し訳ない気持ちですが、非常にわかりやすいと思ったので出させていただきました。

 

この「香水」の歌詞は非常に独特で

「夜中にいきなりさいつ空いてるの?ってライン」

「君とは3年くらい会ってないのにどうしたの」

「君のドルチェ&ガッバーナの香水のせいだよ」

という現代的でキャッチーな歌詞が特徴です。

 

この歌の世界の主人公は、明らかに20代の若い男女で、ドルガバの香水を使う系の女性だなぁと想像がつきます。

これは20代を歌のターゲットとして設定しているからでしょう。

 

だからこそ、年齢の若い世代が強く共感し、曲の世界に一気に入り込むことができ、急激に評価されました。

しかし、逆を言うとこの場合30代後半〜50代くらいのいわゆる中年の人には刺さりにくいと言えます。

 

ここであいみょんのマリーゴールドの歌詞に戻ります。

マリーゴールドの歌詞を今一度読んでみると、20代くらいの若い男女の恋愛の話とも捉えられるし、歳を重ねた人の恋愛と捉えることもできませんか?

 

ここがとても面白くて。

 

歌詞の意味を広くとれるということは、

この曲を聴いた人が歌詞の物語をイメージするときに、自分の年齢に近い登場人物の人生をその歌詞の世界に投影しやすくなります。

ボクは20代だから若い20代の登場人物を歌詞の世界に投影させ、

30代の先輩は、登場人物を30代と置いて歌詞の世界を想像した。

 

MEMO

年齢そのものを投影させずとも、自分が昔経験したことやその時の感情を投影させやすいはずです。

 

ここで考えてみていただきたい。

例えば、

登場人物が20代の恋人だったとした場合。

大好きな麦わら帽子の彼女のことを想い、いつまでもこのまま、君と一緒に幸せを噛み締めて生きていきたいんだ。。。

そんな幸せな2人が、さらにこの先の人生その幸せな気持ちを大切に生きていくといった物語が1つ想像できますよね。

 

しかし

登場人物が80代の老夫婦だった場合、

夫が麦わら帽子を被った妻の、だいぶ昔の姿を回顧している。

妻が一番輝いていた頃のその光景が今でも目に浮かぶんだ。と。

そして、病気でもう先の短いベッドに横になった妻の隣でいつまでも、いつまでも、離さないよ。と亡くなってしまってもあなたのことを思い続けていると伝えている…そんな物語にも想像できます。

 

つまり、聴く人の年齢・あるいは経験次第で「マリーゴールド」の歌詞の物語は全く違う顔を見せるということです。

ボクも、もっと歳を重ねてから「マリーゴールド」を聞いてみたら全く違う曲に聞こえるかもしれない。

 

そして、

それは登場人物についての情報が限定され、様々に解釈できる余白があるから生まれる現象と言えます。

それはそのまま共感する人の母数を増やす事になり、今回の2億回再生という結果に繋がったのでしょう。

 

  • 歌詞の中にあまり多くを語り過ぎないから登場人物の年齢が良い意味で曖昧

  • 結果、様々な年齢層の人が、様々に解釈できる余白が生まれた

  • それぞれがそれぞれの年代の価値観や経験、今の生活からマリーゴールドの歌詞の物語を想像できる

 

これがマリーゴールドがここまで万人に評価され、認められ、愛された大きな理由ではないだろうか?

 

二人はハッピーエンド?それとも…

最後に歌詞全体の考察です。

この歌詞はハッピーエンドに向かう歌詞なのでしょうか??

 

風の強さがちょっと
心を揺さぶりすぎて
真面目に見つめた
君が恋しい

でんぐり返しの日々
可哀想なふりをして
だらけてみたけど
希望の光は

目の前でずっと輝いている
幸せだ

麦わらの帽子の君が
揺れたマリーゴールドに似てる
あれは空がまだ青い夏のこと
懐かしいと笑えたあの日の恋

「もう離れないで」と
泣きそうな目で見つめる君を
雲のような優しさでそっとぎゅっと
抱きしめて 抱きしめて 離さない

1番のAメロからサビまで。

ここまでまとめて解釈します。

 

ボクはここまでが全て主人公の男性の回想シーンだと思います。

映画でいう起承転結の「起」の部分。

ここを知っているからこそ、主人公に感情移入でき、この物語が後々際立ってくるところです。

 

うまくいかない日常にモヤモヤしている主人公ですが、唯一希望と呼べるものがあります。

1人の大切な人がいると言うんですね。

それは麦わら帽子を被った姿が揺れたマリーゴールドに似ている、そんな儚げだけど芯のある美しい女性。

 

「もう離れないで」と泣きそうな目で見つめる大切な君という存在が、主人公にとって希望の光になっているんです。

 

「抱きしめて抱きしめて離さない」からもそのことが読み取れます。

 

本当の気持ち全部
吐き出せるほど強くはない
でも不思議なくらいに
絶望は見えない

目の奥にずっと写るシルエット
大好きさ

回想シーン=昔から現在に話が戻るのがここからです。

起承転結で言う「承」の部分。

つまりここから物語の本題に突入です。

 

ここでは、「本当の気持ち」が何を指すのかによって解釈は変わります。

少なくとも続く歌詞の、眼に映るシルエットは「君」であり、君を見続けているよという愛の深さを表しています。

そして、絶望は見えないと言っているのは、おそらく目の奥に映る君がいるからなんだという風に読み取れます。

とすると、

「本当の気持ち」が指すものは「絶望」に限りなく近いと言えるほどのものなのではないでしょうか??

 

ここで年齢による解釈の違いが出てきます。

年齢によって絶望と感じることが違うからです。

若い人からしたら、仕事が失敗続き、うまくいかない、それだけでも絶望的に感じるものですが、

年齢がいくと仕事の失敗なんて乗り越えるべき壁に過ぎず、むしろリストラで職を失うくらいのことを絶望と呼ぶかもしれません。

あるいは病気、災害、今ならコロナウイルスなど、そのようなどうしようもない状況も絶望かもしれませんし、何かの都合で遠くに行かなければいけないような状況を絶望としているのかもしれません。

 

ここは何を物語の絶望と置くかで多少変わると思いますが、何かしら「絶望」に近いものが主人公に降りかかっていると、ここの歌詞でボクは解釈しました。

 

次の歌詞で、この絶望がどれくらいの絶望なのかがわかるようになっています。

柔らかな肌を寄せあい
少し冷たい空気を2人
かみしめて歩く今日という日に
何と名前をつけようかなんて話して

ああ アイラブユーの言葉じゃ
足りないからとキスして
雲がまだ2人の影を残すから
いつまでも いつまでも このまま

2番のサビの歌詞に入ります。

ここからが起承転結の「転」に当たる部分。

2人の物語に展開が見られるわけです。

 

互いに肌を寄せ合いながら、少しひんやりと感じる中を二人で噛み締めて歩いている。

そんな光景が歌詞から浮かんできます。

まだ青い夏の時期の冷たい空気…だとして夜のシーンでしょうか。

 

夜とはいえ夏、肌を寄せ合いながら歩くのは実際は少し暑いように思います。

しかし、ここでの冷たさは、その前の歌詞の絶望に絡んだことだと推測できます。

 

主人公は、君がいるから絶望には感じない、と言ってはいますが、冷たい空気を2人で噛み締めて歩くというのは、心がざわついている感じがしてなりません。

おそらくこの冷たさは、何らかの「別れ」の近さを示唆しているのだとボクは考えます。

 

それでも絶望を振り払おうと「今日という日になんと名前をつけようか?」と言って、二人の悲劇を喜劇に変えようとしているのではないでしょうか?

 

そして、ここで出てくる「雲がまだ2人の影を残すから」という歌詞がマリーゴールドで一番幻想的なシーンだと思います。

 

雲のような何かに、包み込まれた2人、そこに2人の影が見えている。

そんな光景がボクには浮かぶのですが。

その後の歌詞に「いつまでもいつまでもこのまま」とあり、「まだ」2人の影を残すという表現から、完全に2人の影がなくなった時が、抗いたい別れの時なのかもしれません。

 

この雲とは、「雲のような優しさ」の雲なのかなとボクは思います。

雲のような優しさで君を抱きしめている主人公。

大きな雲(主人公の優しさの比喩)にそっと、そしてぎゅっと包まれる。

そこから想像できる温かさや安心感、包まれた雲の中に映る2人の影こそ、2人の愛の絶頂を示唆します。

 

その雲に影が残らない、つまり君の影がなくなることが近い未来起こるとわかっているから、今は「まだ」2人の影が残っているという表現になった。

 

「君がいなくなるなんて考えたくない…!いつまでも、、、いつまでも、このままでいたい。。。」

そんな切実な心境が読み解けるのではないでしょうか?

 

ここまで読み解くと、次の歌詞の意味は説明しなくてもわかるはずです。

いよいよ起承転結の「結」に入ります。

遥か遠い場所にいても
繋がっていたいなあ
2人の想いが
同じでありますように

逃れようのない君との別れ。

けど、別れが来たとして、それでも君と繋がっていたい。

君もそう思ってくれているかな?そうだと嬉しいな。

 

そして、最後にもう一度、主人公のこれまでの君との思い出が走馬灯のように閉じた瞼の裏側で思い起こされるんです。

麦わらの帽子の君が
揺れたマリーゴールドに似てる
あれは空がまだ青い夏のこと
懐かしいと笑えたあの日の恋

「もう離れないで」と
泣きそうな目で見つめる君を
雲のような優しさでそっとぎゅっと
抱きしめて離さない

ああ アイラブユーの言葉じゃ
足りないからとキスして
雲がまだ2人の影を残すから
いつまでも いつまでも このまま

そして、

離さない
いつまでも いつまでも 離さない

2人の想いが同じかどうか。

それは分かりません。

それでも主人公は、たとえ君の影がなくなったとしても、いつまでもいつまでも、雲のような優しさで包み込むよ。離さないよ。と君に、そして自分自身に言い聞かせる。

 

そんなハンカチ必須の物語が、マリーゴールドの歌詞には込められていたのではないでしょうか??

あーこれ、映像化したいな。

 

「マリーゴールド」歌詞考察まとめ あいみょんすら気づかない奥深さのある歌詞だった

ここまで歌詞考察をしてきましたが、あなたはどう感じたでしょうか?

あくまでボク個人の考察なので、なんの整合性もありませんが、意外とそれっぽい読みができているのではないかなと思います。

 

「ひまわりにしなかったのはゴッホになりたくないから」なんて考察多分ボクしか言っていないんじゃないかな?笑

そんなバカな〜と思うかもですが、人間の無意識ってすごい力だから、あながち大きく間違っていないんじゃないかなとも思ったり。笑

 

でもそうやって深掘りして考えたくなる楽曲だなと、実際考え始めて強く思いました。

解釈の余地がすごい!

 

賛否両論生まれる音楽を作り出したこと自体ボクはすごいことやと思います。

マリーゴールドという曲がパクリだとか、不可解だというネガティブな意見を見て、ボクも「なんやと!!?」とムッとしてしまう部分もありましたが、作品である以上好き嫌いもあればそれぞれの解釈が出てくるのは当然です。

 

その上で、良い評価だけでなく、きちんと悪い評価もついてくるというのは感情的には嫌な感じもしますが、客観的に見て多くの人に大きな影響を与える曲なのだということの裏返しでしかありません。

 

あいみょんはどこかのインタビューで「君はロックを聞かない」の壁を「マリーゴールド」が越えて、次は「マリーゴールド」の壁を超えなくちゃということを発言していました 。

 

そうやって自分が生み出したものを超えて、また超えて、、、。

あいみょんが尊敬している岡本太郎が言った「敵は自分自身」という言葉に影響を受けてか、まさに今その言葉の意味を噛みしめる人生を歩んでいるのだなと感じます。

 

これからもあいみょんというアーティストが魅せてくれる芸術作品に注目していきたいと思います。

 

今回「マリーゴールド」YouTube再生回数2億回突破という素晴らしい偉業を記念して、その多くの人を惹きつける歌詞の魅力を考察させていただきました。

 

あいみょん本人も気づかないような新しい発見が今回の考察にあるといいなと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

あいみょんにも読んでもらうのが夢なので、もし少しでも「面白い!」と思ってくださった方は、よければリツイートや感想コメントなどして広めてくださると喜びます!

 

この考察はおかしい!という方も反論リツイートしてくださると本望です!笑

賛否両論の考察ができたことを誇りに思わせていただきます!

 

 

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